せっかく新しいスキルを練習したのに「試合で全く使わない」というのはあまりにもったいない無い話です。
新しいスキルを、自分のものにするためには「いま自分が、どの段階のトレーニングを行なっているか」選手自身が分かっていることが大切だと考えています。今回は、トレーニングには「4段階」のステップがあることをお伝えします。
Shadow(シャドー)・Dummy(ダミー)は、新しいスキルを体で覚えるために「姿勢」「タイミング」「正確性」など、個人練習でどんどん磨くことができるトレーニング領域です。
次の、Decision Making(ディシィジョンメイキング)は、直訳すると「意思決定」という意味です。このトレーニングの目的は、プレー判断の「基準」を整えて、状況に応じた「最適な引き出し」を開けられるようにすることです。目的を理解しているダミーディフェンスの手伝いが必要で、人手も労力もかかりますが、スキルを定着させるための重要なトレーニングとなります。
そして最後は、実戦形式のLIVE(ライブ)トレーニングという順番です。
Shadow(シャドー)・Dummy(ダミー)は、未来が予測できるトレーニング領域で、動作のクオリティー(質)を高めるのに適しています。Decision Making(ディシィジョンメイキング)・LIVE(ライブ)は、未来が予測できないトレーニング領域で、適応能力が求められます。
この4つのトレーニングを1つのサイクルとして、くるくると何周も回すことで、いま練習しているスキルが、試合で使えるスキルに生まれ変わっていきます。
ここで、スキルを定着させるために、絶対に欠かせない要素が「1つ」だけあります。
それは、LIVE(ライブ)の中で、
『 意識的に試す』ということです。
どんな一流選手でも、
「どうして成功したか?」
「どうして失敗したか?」
手がかりがなければ、スキルアップに繋げることはできません。
LIVE(ライブ)で試した結果、新たに生まれた感覚をふり返り、またShadow(シャドー)に戻って、改善作業をくり返す。
NBAやBリーグのトッププレイヤーたちは、本番の試合も、トレーニングサイクルの一環として、絶えず自分のスキルを磨いています。
練習しているスキルを試合で使えるように、その挑戦を応援しています。
お読みいただきありがとうございました。
ワンバス
小野元(おのはじめ)