なかなか難しい「待つ」という技術

 
ーーーーーーーーーーー
スクリーン、まってぇぃ
ーーーーーーーーーーー
  
若手時代、外国人選手がよくかけてくれた言葉です。
 
ダウンスクリーンのセットを待てずに動き出してしまう僕に、片言の日本語で一生懸命話しかけてくれたのを憶えています。

そうです……

シューターのくせに、ビックマンのスクリーンをろくに使えなかったんです。

 
学生からJBLに行って、DFが一段とキツくなると、無意識のうちに動き出しが早くなってしまう。スクリーンがセットされる瞬間まで待てない。DFを押し込めていない。などなど ………  

 
いつもスピードを使ってDFをかわそうとする僕に、

ある時、先輩がアドバイスをくれました。
  
 
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
自分のDFを見すぎるくらい見てみろ!
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
 
 
それまでも自分なりにDFを見ながら動いているつもりでしたが、アドバイス通り、オフボールの時やスクリーンユーザーになる時は、とにかく肩越しにマークマンDFを見つづけるように徹底してみました。

 
そうすると、だんだん相手がどんな時に困っているか、逆にどんな事をしたがっているか、少しずつ分かってきました。

 
そして、「スクリーンを待つ」という作業は、DFが一番困る要素の一つであることに気がつきました。

自分のDFを見ていると、スクリーンセットを待っているだけで、引っかからないように、ポジショニングを変えてみたり、押し出そうとしてきます。さらに、自分の動き出し方、スピードにあわせて懸命に対応していることが分かりました。

…………

 
それからです。

やっと、やっと、DFとの駆け引きができるようになりました。

単純に相手の嫌がる動き方をしてやろうと……(笑)

 
バスケットは常にオフェンスが有利なのに、スクリーンセットを待たないのは、せっかくのプレーの選択肢を放棄していたんだと気がついたんです。DFを振りほどこうと急げば急ぐほど、プレーを難しくしていたんだなと………
 
  
  
以来、オフボールスクリーンは、自分の最も得意なプレーとして、たくさんの得点機会をつくることができました。

僕の場合は、「DFを見過ぎるくらい見る」というところから、相手の心理を知って、タイミングや駆け引きを覚えていくことができました。

  
また「タイミングを待つ」という作業の重要性を知ったことが、バスケットのプレーひとつ一つの精度を追求していくキッカケとなったのです。

 
  
先日のチーム強化クリニックでも、「DFを見る」 ⇨ 「タイミングを待つ」を意識するトレーニングによって、落ち着いて状況判断ができるようになり、選手たちの動きは格段に良くなっていきました。
 
  
これからも自分の経験を、次の世代の選手たちに伝えていきたいと思います!!

  
お読みいただきありがとうございました。

  

小野 元 (おの はじめ)

コーチプロフィール

小野元
小野元
ONE Basketball Academy 代表
一般社団法人 日本バスケットボール選手会 監事

日本バスケットボール協会公認 B級ライセンスコーチ
日本体育協会公認 スポーツ指導者

中央大学総合政策学部卒業
競技歴・代表歴・指導歴